△円筒研磨用研磨機
△表1 加工前・加工後の表面粗さ(SUS材)
△表2 加工前・加工後の表面粗さ(Al材)
段階を踏むという工程はあるが、目標を達成することができた。このようなRaを、この範囲にコントロールして仕上げたいというような加工には向いている研磨材である。
それは、常に新しい研磨面を用いて加工することができるからであり、前工程が安定した状態であれば、目標どおりの表面状態をつくることができる。
また、本来の形状に習った加工が基本であるため、形状を崩さないといった特性もあり、とくに真円度がすでに目標どおりできている場合などは、形状を崩さず表面粗さのみコントロールすることができる。(表3)
△表3 ステンレス材の表面粗さコントロール
△平面研磨用テスト機
表面粗さの評価には表面粗さ計(フォームタリサーフ)を使用した。しかし、研磨後の銅の表面には材料のむしれによる欠陥が見られ、触針式の粗さ計では表面性状を正しく評価できないことが判明した。そこで、フォームタリサーフによる微少部分の3次元測定を行ない、3次元鳥瞰図により視覚的に表面粗さを評価する方法を併用することにした。各種テープによる粗さの違いを図2〜図7に示す。
この図から、面粗さはテープ番手に反比例して小さくなることがわかる。また、加工条件や研磨量を変えて測定した結果から面粗さは加工条件に関わらず同じテープで加工した場合、ほぼ同じ値になることが判明した。
基板表面の研磨傷の状況を把握するために基板表面の0.256mm×0.256mmの範囲をフォームタリサーフで3次元測定し、3次元鳥瞰図に表したものが上記図2〜図4となる。
図3 C600では研磨傷が大きく、とくに銅のむしれによる欠陥が見られる。高番手テープで研磨するとこの傷は少なくなる。しかし、図4に示すようにWA10000ではきれいな研磨が可能であるが、ごみの噛み込みによると思われる欠陥が見られる。
各種測定方法を検討した結果、測定精度、分解能などの点からフォームタリサーフによる3次元測定を行ない、3次元鳥瞰図を作成して断面形状を評価することにした。
予備試験の結果、プリント基板の表面に基材のガラスエポキシ基板中のガラスクロスの織り目に起因すると思われる0.8mmピッチ、高さ約2μmmのうねりが存在することが判明したため研磨試験においては、このうねりを除去することがひとつのポイントとなった。
そこで表面形状の評価に当たっては、このうねりの変化がとらえやすいように測定範囲を2.56×2.56mmの狭い範囲に設定して測定を行った。基板全体のうねりの評価についてはプリント基板自体の変形が大きく、研磨による形状の変化を検出することが困難なため断念した。
図5が研磨前、図6がC600、図6がWA10000で研磨したものである。
図5からわかるように研磨前の基板表面には内部のガラスクロスの織目に起因すると思われる0.8mmピッチ、高さ2μmのうねりが存在する。
図6に示すようにテープ研磨によってこのうねりは除去できることがわかる。図7のように高番手テープを使用することによりほぼ平坦な面を得ることができる。
研磨前拡大画像 A研磨後拡大画像
研磨前拡大画像 B研磨後拡大画像
@研磨前拡大画像 Aテープ研磨#1000後拡大画像 Bバフ粗研磨後拡大画像
Cバフ仕上げ後拡大画像 Dバフ最終仕上げ後拡大画像
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